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密林少年-Jungle Boy-

ビジネスジャンプという集英社の極北ともいえる雑誌で
唯一気を吐いているマッコイ注目のマンガです。
あー、何でよりにもよってそんなところで連載してるの、もったいねえ(><)
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舞台はカンボジア。地雷処理員アキ・ラーさん(以下アキラ)の半生を記したコミックです。
ある程度は実話らしい。
といってもお涙頂戴のよくある反戦平和テイストではなく、
むわっとしたジャングル描かせたら日本一の漫画家深谷陽氏の作画で、
とっつきやすいルポルタージュテイストで仕上がっています。
まさしく日本人の知らないディープ・アジア。

党(オンカー)は絶対 他の生き方は知らない

主人公のアキラが生き抜くのは1980-90年代のカンボジア。
第1巻ではポルポトの暴威からベトナム軍侵攻くらいまで。
そこで少年兵として地雷を敷設しながら生きていきます。
このマンガに一貫して描かれているのは、
戦争の愚かさとか、平和の尊さとか、そういうお題目的なものじゃなくて、
自分たちの支配者である大人の、身勝手な横暴と嘘くさい論理。
それが純粋な子供の目に投影されることにより、
主人公を、ひいてはストーリーをリアリティあるものに押し上げています。
これ見よがしの示唆もなく「これが戦争なのだ」と雄弁に語るのです。

いつだって考えるのは僕らじゃない
決めるのも選ぶのも僕らじゃない


このジャングルは戦争が日常となった世界。それが主人公の知る世界の全て。
例えばストーリー中盤、112-127p.におけるクレイモア地雷付近の遭遇戦などは、
ワイヤーを引っ張り合ったりして、どことなくのどかな笑い話を思い出させる。
日常です。ヒロイズムのない、限りなき日常。
しかしそのクライマックス、少年兵アキラは、ジャングルの日常である
はちきれるばかりに輝く太陽と青い空をバックにして
一生懸命、素直に、ポル・ポト兵を射ち殺していきます。
さっきまでのユーモラスにバランスを崩していたりした敵兵は
次ページでは空ろな目をした死体になっています。
それを見ながら彼は独白する。

相手を殺すことを選んだんじゃない 
自分が生き残るのに精一杯だっただけだ
僕は何も選んでない 僕のせいじゃない


シュールです。しかし、ついさっきまで様々な感情を有していた「生命」が、
一瞬にして誰も予期せざる力で物言わぬ「物体」に成り変わることがある。
(幼馴染のポクの最期とかも、そう)
そのシュールさが戦争なのだと、アキラは自分の体験をもとに
平和に馴れた日本人にガツンと衝撃を食らわしつづけます。

ま、まあ、そんな難しいことを考えなくても、
たんなる説教くさい戦争イクナイマンガではないのは確実です。一見の価値あり。
ヒロインのナナちゃんとか、ミステリアスな美女のノレットさんとか、
ストーリーを波乱させて盛り上げ、次巻を楽しみにさせるヒキ要素もあります。
実際、MCアクシズとか読んでデヘデヘしている大きな子供たちは
一度こっちも読んでみるべきだと思う。
「少女が兵士している」というのが、
どれだけ重い社会状況であるか、よくわかるから・・・。
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アジアマンガとして ☆☆☆☆☆
戦争マンガとして ☆☆☆☆


(^v^)ノ
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by mccoy1234 | 2007-02-21 23:16 | Comic
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